英明コラム 2月第1週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》2月 第1週

 
30日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。インテルが6.4%安。シェブロンが4.4%安。週間ではS&P500とNYダウが過去4週間で3週上昇。NASDAQ総合は4週連続高。12月の個人消費支出(PCE)は前月比0.2%減少。ミシガン大学発表の1月の1年先の期待インフレ率(確報値)は3.9%。
 
日経平均株価は50円高の27433円と続伸。週末のNY株高を受けて買い物優勢となった。もっとも戻り売りに押された場面もあり不安定な動き。東証プライムの売買代金は2兆7730億円。ファナック、信越化学が上昇。中外製薬、コマツが下落。
 
31日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って反落。今週はS&P500採用企業のうち100社以上が決算を発表。また欧米の中央銀行会合や米雇用統計発表も予定。神経質な動きとなった。というよりはNYダウは6連騰。S&P500の騰落レシオは148%まで上昇。過熱感があった。FOMCや雇用統計などを控え国債利回りは上昇。
 
日経平均株価は106円安の2327円と反落。プラス局面もあった利益確定の売り物に押された。東証プライム売買代金は2兆9146億円。味の素、東急不動産か上昇。リクルート、楽天が下落。   
 
1日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って1%超の反発。エクソンモービルやUPSが決算発表後に上昇。キャタピラーやマクドナルドの下げを相殺した。S&P500は月間で6.2%高。1月としては19年以来のプラス幅。22年は年間で19.4%下落していた。NASDAQ総合は月間で10.7%上昇。1月の上昇率としては01年以来の大きさとなった。
 
日経平均株価は19円高の27346円と小反発。米株高を受けて日本株にも買いが広がり、上げ幅は一時200円を超えた。ただその後は伸び悩み。東証プライムの売買代金は2兆8570億円。スクリン、アドテストが上昇。TOTO、レーザーテクが下落。
 
2日(木)
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。FRBは市場の予想通りに0.25%利上げを決定。パウエル議長は、インフレが緩和し始めているという認識を示したことを好感。主要株価3指数はFOMC声明発表直後に下落し値動きの荒い展開。たたパウエル議長の会見を受けて切り返した。1月のISM製造業総合指数は47.4と12月の48.4から低下。恐怖と欲望指数は70→73。過去1年の最高水準の強気。(昨年4月11日の4が底値。11月30日の70が高値)。
 
日経平均株価は55円高の27402円と小幅に続伸。米FOMCを通過し前日の米ハイテク株が大きく上昇。東京も半導体関連やグロース株中心に買い物優勢の展開。ただ戻り売りや円高懸念から上値は重かった。TOPIXは小幅に4日続落。東証プライムの売買代金は2兆8939億円。日立、東エレクが上昇。住友化、味の素が下落。
 
3日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は不揃いの展開。NASDAQは2%超、S&P500は1%超の上昇で3日続伸。両指数は約5カ月ぶりの高値水準。S&P500のチャートは50日移動平均線が200日線を上回る「ゴールデンクロス」。大幅なコスト削減が好感されたメタ・プラットフォームズは株価急伸。
 
日経平均株価は107円高の27509円と続伸。昨年12月16日以来約1ヶ月ぶりの高値水準を回復した。米ハイテク株高を受け、値がさハイテク株などが買われ指数を押し上げた。一時27600円台に乗せた場面もあった。東証プライムの売買代金は3兆2124億円と増加。ソニー、リクルートが上昇。KDDI、パナが下落。
 
(2) 欧米動向
 
興味深い報道。

一部ドイツ企業が、米IT企業による数千人規模の人員削減を優秀な人材を採用する好機と捉えている。労働市場の逼迫やソフトウェアエンジニアリング業界でスキルを持つ労働者の不足が背景。
フォルクスワーゲン(VW)のソフトウエア部門カリアド幹部のコメント。
「米企業は人材を解雇し、われわれは人材を採用する。米欧および中国で数百のポジションが空いている」。
グーグルの親会社アルファベット、マイクロソフト、フェイスブックの親会社メタは、計約4万人の人員削減を発表。
独も景気後退の瀬戸際にはある。
しかしT化が立ち遅れていることなどから、今後の飛躍が期待されている。
IT業界団体のBitkomによれば、13万7000件のIT関連職が空席だという。政府も移民規則を簡素化し、市民権取得を容易にすることで熟練技術者の移民の誘致を図る。
地方当局もこれを後押ししている。
 
(3)新興国動向
 
国際通貨基金(IMF)の世界経済見通し改定。
2023年の実質成長率の予測は2.9%。
昨年10月の前回見通しから0.2ポイント引き上げた。
ゼロコロナ政策を解除した中国を中心に幅広い国・地域の成長率を上方修正した。
「世界的な景気後退の際にしばしば起こる世界のGDPのマイナスなどは想定していない。
複数のポジティブ・サプライズがあり、多くの国・地域で経済の回復力が予想以上だった」と総括。
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・。
 
【2月】(5勝5敗、勝率50%:7位)
月初めから戻り売り。突っ込みは利食いして、小幅稼ぎの時。
 
 7日(火)毎月勤労統計、景気動向指数、米貿易収支、バイデン大統領一般教書演説、消費者残高、変化日
 8日(水)景気ウォッチャー調査
 9日(木)マネーストック
10日(金)オプションSQ、国内企業物価指数、日銀総裁人事案検討、ミシガン大学消費者信頼感、中国1月消費者生産者物価、MSCI日本株指数四半期リバランス発表
12日(日)H3ロケットによる先進光学衛星「だいち3号」打ち上げ
13日(月)NISAの日、
14日(火)GDP改定値 米消費者物価、バレンタインデーは上げの特異日、変化日
15日(水)第三次産業活動指数、1月訪日客数、米小売売上高、鉱工業生産、NY連銀製造業景気指数、NAHB住宅価格、対米証券投資
16日(木)貿易統計、機械受注、首都圏マンション発売、米住宅着工件数、建設許可件数、生産者物価、フィラデルフィア連銀製造業景況感
17日(金)米ウィッチング、輸出入物価、米スーパー・ニンテンドー・ワールド開業
20日(月)プレジデンツデーでNY休場
21日(火)上野動物園のシャンシャン中国に返還、米中古住宅販売、独ZEW景況感、変化日
22日(水)企業向けサービス価格指数、FOMC議事録、独IFO景況感、2月最弱の日
23日(木)天皇誕生日で東京休場、米GDP改定値、G20財務省中央銀行総裁会議(インド)
24日(金)1月消費者物価、米個人所得、新築住宅販売 株安の日L
26日(日)自民党大会
27日(月)米耐久財受注、中古住宅販売仮契約
28日(火)鉱工業生産、商業動態統計、米FHFA住宅価格、S&P住宅価格、CB消費者信頼感、MSCI日本株指数パッシブ売買インパクト
 
1月月間ベースでは、日経平均株価は4.77%高、2カ月ぶり反発、
TOPIXは4.4%高、2カ月ぶり反発。
東証プライム市場指数は4.4%高、2カ月ぶり反発。
東証マザーズ指数は6.2%高、2カ月ぶり反発
東証スタンダード市場指数は33.1%高、2カ月ぶり反発
東証グロース指数は6.0%高、2カ月ぶり反発
東証REIT指数は3.6%安、2カ月続落。
 

(兜町カタリスト 櫻井英明)
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