英明コラム 6月第2週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 6月 第2週

 
6日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比39万人増。市場予想の32万5000人を上回る伸びとなった。失業率は3.6%と3カ月連続で横ばい。「FRBが利上げを停止するという期待に冷や水を浴びせた」との解釈。景気実態よりも金利動向が気になるという状態。「経済のプラス要素が売り要因でマイナス要素が買い要因」。解釈のねじれ減少が不確実性を呼んだ格好。
 
日経平均株価は154円高の27915円と小幅続伸。前場の下落幅は100円超、後場の上昇幅も200円超。終値は3月30日以来の高値水準。東証プライムの売買代金2兆3223億円。JR東、ファーストリテが上昇。リクルート、フィルムが下落。
 
7日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って小幅反発。午前中に上昇幅は一時300ドルを超えた場面があった。その後長期金利が3%台に乗せたことから伸び悩み。午後には下げに転じる場面もあり上値は重かった。1対20の株式分割を行ったアマゾンが2%高。アップルが0.5%高。セールスフォース、マイクロソフトが下落。ウォルト・ディズニーやナイキなど消費関連セクターが軟調。債券利回りは3週間半ぶりの水準に上昇。10日発表予定の5月消費者物価指数(CPI)を警戒した向きが多い。
 
日経平均株価は28円高の27943円と3日続伸。3月30日以来の高値水準を回復した。一時28000円を上回った場面もあったがキープできなかった。東証プライムの売買代金は2兆6762億円。マツダ。カシオが上昇。川重、エムスリーが下落。
 
8日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。アップルなどのハイテクセクターが上昇の中心。マイクロソフトが1.4%高。原油高を背景にエネルギーセクターも買われた。ただ小売大手ターゲットは業績見通し下方修正を受け2.3%安。小売りセクターはほぼ終日軟調。4月の貿易赤字は前月比19.1%減の871億ドルだった。減少率は2012年12月以来の大きさ。
 
日経平均株価は290円高の28234円と高値引けで4日続伸。終値が28000円台を回復するのは3月20日以来。東証プライムの売買代金は3兆101億円。ダイキンが上昇。川船、第一生命が下落。
 
9日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。長期債利回りが3%を超えた。原油価格が急騰。「インフレや金利見通しへの懸念が強まった」との解釈。ダウ輸送株は3.8%安。インテルはシティによる業績予想引き下げを嫌気して5.3%安。「10日発表の消費者物価指数(CPI)を控えて警戒感も高まっている」。そんな声も聞こえる。4月の卸売在庫は前月比2.2%増。
先月発表の速報値2.1%増から小幅に上方修正。市場予想で横ばいだった。
 
日経平均株価は12円高の28246円と小幅に5日続伸。3月29日(28252円)以来の高値水準を回復した。「円安・ドル高を受け輸出採算の改善期待から関連銘柄に買い優勢」との解釈。短期的な過熱感も意識され上値は重かった。日経平均は一時28389円と取引時間中としては1月18日以来約5カ月ぶりの水準まで上昇。
TOPIXは5日ぶりに反落。東証プライムの売買代金は3兆2139億円。ファストリ、トヨタが上昇。川船、東エレが下落。
 
10日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って大幅続落。「引けかけて売りが加速。翌日の消費者物価指数(CPI)への警戒が高まった」との見方。アップルが3.6%、アマゾンが4.2%下落。年初来でS&P500が15.7%安、NASDAQが25%安。週間新規失業保険申請件数は前週比2万7000件増の22万9000件。市場予想(21万件)を上回って増加した。ECBが7月に利上げを開始する方針を示したことを受け国債利回りは上昇。10年国債利回りは3.045%。3.073%まで上昇。2年国債利回りは2.815%。一時2.842%まで上昇した。ドル円は134円台前半。
 
日経平均株価は422円安の27824円と6日ぶりに反落。前日の欧米株式相場が総じて下落した流れを受け、東京市場でも幅広い銘柄に売りが出た。前日までの5日で800円超上昇したことからの短期警戒感もあった。TOPIXは続落。東証プライムの売買代金は3兆1449億円。太平洋セメ、積ハウスが上昇。クボタ、ファナックが下落。
暫定SQ値28122円81銭は上回れず「幻」のまま。
 
(2) 欧米動向
 
OECDの最新の経済見通し。
今年の世界経済成長率を3%と予測。
12月時点の4.5%から大幅に下方修正した。
OECD加盟国のインフレ率は今年8.5%でピーク。
2023年には6.0%に低下する見通し。
従来は5%でピークを迎え、23年には3%になると予想していた。
「1970年代半ばのようなスタグフレーションのリスクは限定的」との見方。
中国の今年の成長率は4.4%。
来年は4.9%。
従来予想(両年ともに5.1%)から引き下げられた。
ユーロ圏の経済は、今年が2.6%、23年が1.6%。
それぞれ4.3%、2.5%という従来予測から下方修正された。
日本の23年GDPは1.8%。
22年の1.7%増から加速する見通し。
それでも最低水準だから先は遠い。
 
(3)新興国動向
 
中国国家統計局が発表した5月の生産者物価指数(PPI)は前年比6.4%上昇。
伸び率は前月の8.0%から鈍化。
市場予想と一致した。
消費者物価指数(CPI)は前年比2.1%上昇。
伸び率は4月と同じ。
市場予想は2.2%上昇だった。
 
【展望】
 
スケジュールを見てみると・・・。
 
 
【6月】6勝4敗、(勝率60%、4位)
    気学では「夏至前後の安値は底入れとみて駆け引きすべき」。
 
6月10日(金)メジャーSQ、国内企業物価指数、米消費者物価、中国消費者・生産者物価天赦日、一粒万倍日
6月13日(月)法人企業景気予測調査、変化日
6月14日(火)米FOMC(→15日)、生産者物価、独ZEW景況感
6月15日(水)機械受注、国会会期末、米小売売上高、NY連銀景況観、NAHB住宅市場指数、中国各種経済指標
6月16日(木)日銀金融政策決定会合(→17日)、貿易統計、米住宅着工件数、フィラデルフィア連銀製造業景況感、株安の日L
6月17日(金)黒田日銀総裁会見、変化日、米鉱工業生産、クアドラブルウィッティング、FTSE日本株指数パッシブ売買インパクト
6月20日(月)ジューンティーンス(奴隷解放記念日)でNY休場
6月21日(火)中古住宅販売、上げの特異日
6月22日(水)参院選公示
6月23日(木)米経常収支、EU首脳会議(→24日)、変化日
6月24日(金)消費者物価、米新築住宅販売、独IFO景況感
6月26日(日)G7(→28日)ドイツ
6月27日(月)米耐久財受注
6月28日(火)大幅高の特異日
6月29日(水)失業率、上げの特異日、変化日、東証REITCORE指数パッシブ売買インパクト
6月30日(木)鉱工業生産
 
世界半導体市場統計で2023年の半導体市場が22年比5%増、6796億ドル(約90兆円)になる見通し。
伸び率は鈍化するものの4年連続で前年を上回る。
22年の世界市場予想は6464億ドル。
前回予想から450億ドル上方修正。
 


(兜町カタリスト 櫻井英明)
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