4日の東京株式市場は、反発後も堅調展開か。
日経平均株価の予想レンジは、3万7300円-3万7800円を想定。(3日終値3万7446円81銭)
米国株は上昇。ダウ平均は214ドル高の42519ドルで取引を終えた。
現地3日の米国株高を受け、買い優勢スタートが見込まれる。米国市場ではAI(人工知能)の底堅い需要見通しから半導体関連株が物色されており、東京株式市場でも同様の展開となりそう。
為替相場は、ドル・円が1ドル=143円台の後半(3日は142円82-84銭)、ユーロ・円が1ユーロ=163円台の後半(同163円03-07銭)と円安方向に振れている。輸出関連銘柄には支えとなりそう。
シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、3日の大阪取引所清算値比250円高の3万7760円だった。
【好材料銘柄】
■スターシーズ <3083>
世界的な蓄電池メーカーである中国のロベステック社と業務提携。
■TOKYO BASE <3415>
5月既存店売上高は前年同月比19.2%増と増収基調が続いた。
■識学 <7049>
チェンジと連携し、暑熱対策AIカメラアプリケーション「カオカラ」のレンタルサービスを提供開始。
■ハイレックスコーポレーション <7279>
上期経常を54%上方修正。
【主な経済指標・スケジュール】
4(水)
【国内】
《決算発表》
ティーライフ
【海外】
米5月ADP雇用統計(21:15)
米5月ISM非製造業景況指数(23:00)
米地区連銀経済報告(ベージュブック)(6/5 3:00)
《米決算発表》
ダラー・ツリー
※株式スケジュールは予定の為、変更される場合があります。
3日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比214ドル16セント高の4万2519ドル64セントで終えた。
米政権は3日、トランプ大統領と中国の習近平国家主席の電話会談について、「すぐに」行われると明らかにした。市場関係者は米国と中国などとの通商交渉が今後進展することを期待しており、相場を下支えした。
一方で経済協力開発機構(OECD)は3日発表した最新の経済見通しで、2025年の世界全体の成長率を2.9%と、3月の前回予測から0.2ポイント引き下げた。米政権の高関税政策による経済の先行き不透明感は根強く、投資家心理を圧迫。寄り付き後は売りが出やすい地合いとなっていた。
この日はハイテク株が堅調で、エヌビディアは2.8%高となった。ブロードコムは3%超上昇。今週発表予定の決算に期待が集まっている。また同社はこの日、人工知能(AI)の高速化を目的とした最新製品の出荷を開始したと発表した。
ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアが2.7%高となった。QUICK・ファクトセットによると、時価総額が3兆4501億ドルとマイクロソフトを抜き米市場で1位となった。ジェフリーズが3日付でエヌビディアを「最有力買い銘柄」に挙げた。担当アナリストは企業のAI開発や導入により「(半導体)業界は急速に拡大している」と指摘した。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、メタプラットフォームズが3日、データセンター向けに電力会社から電力を購入する20年契約を結んだと発表した。AI需要が底堅いとの見方から、半導体株全般に買いが入った。マイクロン・テクノロジーが4.1%高、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が2.3%高となった。5日に四半期決算を発表するブロードコムは3.2%上げた。
レビット米大統領報道官は3日、米政権が貿易相手国に4日までに交渉に関する最善の提案を提出するよう求めたとのロイター通信の2日の報道を認めた。ラトニック米商務長官は2日、「そう遠くない将来、米国とインドが協定を結ぶことになるだろう」と述べたと伝わった。中国以外でも主要国との貿易協議が進展するとの期待も高まった。
3日発表の4月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が739万件と、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(710万件)を上回った。市場では「予想以上の雇用の拡大は経済にとって良い兆しであり、貿易交渉が進んで経済を支えるとの楽観がある」との受け止めがあった。
ダウ平均は午前に下落する場面があった。経済協力開発機構(OECD)が3日に発表した経済見通しでは2025年の米成長率予想を前回の2.2%から1.6%に引き下げた。一方、25年のインフレ率見通しは2.8%から3.2%へ上方修正した。
アトランタ連銀のボスティック総裁は3日に公表した小論で「貿易政策はワイルドカード(不確定要素)で、現在の状況は不安定だ」と語った。米連邦準備理事会(FRB)のクック理事は同日の講演で「今後経済活動の拡大が昨年のペースから減速するとみる」と述べた。関税を巡る不確実性が根強いことは投資家心理を下押しした。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、ホーム・デポやキャタピラー、ナイキが買われた。半面、ユナイテッドヘルス・グループやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、ベライゾン・コミュニケーションズが売られた。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比156.345ポイント(0.81%)高の1万9398.958で終えた。テスラが上げた。
【シカゴ日本株先物概況】
3日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比45円安の3万7760円で終えた。この日は米株式相場が上昇した一方で日経平均株価が下落し、シカゴ市場の日経平均先物には売りがやや優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
37760 ( +250 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
37775 ( +265 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
3日の英FTSE100種総合株価指数は上昇し、前日比12.76ポイント(0.14%)高の8787.02で終えた。英ロールス・ロイス・ホールディングスやBAEシステムズといった防衛・航空関連への買いが、引き続き相場の支えとなった。英シェルなどエネルギー株も上昇した。
ただし米関税政策や世界経済の先行き不透明感は根強い。FTSE100種指数は前日比で下げに転じる場面があるなど、明確な方向感を欠く展開だった。
FTSEの構成銘柄では、エネルギー小売り大手セントリカが4.36%高、通信大手エアテル・アフリカが3.15%高、航空機エンジン大手ロールス・ロイスが2.92%高と上昇。他方、教育・メディア大手ピアソンは6.62%安、有害生物管理会社レントキル・イニシャルは3.39%安、水道大手セバーントレントは2.46%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
3日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比160.95ポイント(0.67%)高の2万4091.62で終えた。ユーロ圏の物価上昇率の落ち着きを背景に、欧州中央銀行(ECB)が今週の理事会で利下げを決めるとの期待が投資家心理を支えた。世界経済の成長率が鈍化するとの警戒感は、DAXの上値を抑えた。
個別では、航空機大手エアバスが2.32%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.02%高、業務用ソフトウエア大手SAPが1.99%高と買われた半面、通販大手ザランドは3.84%安、ドイツ取引所は1.51%安、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズは1.43%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は6営業日ぶりに反発し、前日比0.34%高で終えた。